麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによる感染症です。
感染経路としては、空気(飛沫核)感染のほか、飛沫感染、接触感染など様々な経路があり、感染力
はきわめて強いです。
ほぼ100%の人に症状が現れますが、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
・麻しんウイルスに感染して10~12日後に、発熱や咳などの症状が現れます。
・38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感、上気道炎症状(咳、鼻水、くしゃみなど)、結膜炎症状
(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなります。
・発疹が現れる1~2日前ごろに口の中の粘膜に1mm程度の白い小さな斑点(コプリック斑)が出現しま
す。コプリック斑は発疹出現後2日目を過ぎるころまでに消えてしまいます。
・コプリック斑出現後、体温は一旦下がりますが、再び高熱(39.5℃以上)が出るとともに、赤い発疹
が出現し全身に広がります。
・疹出現後3~4日で回復に向かい、合併症がない限り7~10日後には主症状は回復しますが、免疫力が
低下するため、しばらくは他の感染症に罹ると重症になりやすく、体力などが戻るのに1か月くらいか
かることも珍しくありません。
・麻しんに伴って肺炎、中耳炎、脳炎などさまざまな合併症がみられることがあります。特に脳炎は、
頻度は低い(1000人に1人)ものの死亡することがあり、注意が必要です。
麻しんは、感染力がきわめて強いことから手洗いやマスクのみでの予防はできませんが、予防接種
(ワクチン接種)を行うことによって、95%以上の人が免疫を獲得し、予防することができます。
予防接種は、自分が感染しないためだけでなく、周りの人に感染を広げないためにも有効です。
医療・教育関係者や、海外渡航を計画されている方は、麻しんの罹患歴や予防接種歴を確認し、明ら
かでない場合は予防接種を検討してください。
麻しんの予防接種歴がない方で、発熱、咳、鼻水、眼球結膜の充血等麻しんに特徴的な症状が現れた
方は、事前に医療機関に電話で連絡し、指示に従って受診してください。
その際、症状出現日の10~12日前(感染したと推定される日)の行動(海外の流行地や人が多く集まる
場所へ行ったかどうか等)について、医療機関にお伝えください。
症状から麻しんが疑われる場合、事前に医療機関へ電話連絡の上、マスクを着用して医療機関
の指示に従って受診してください。
受診の際には、感染を拡大させないように公共交通機関等の利用は控えてください。
医療法人健美会 佐々木病院
≪参考情報≫
麻しんについて(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html
麻しんとは (国立感染症研究所ホームページ)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/518-measles.htm